「社員が次々辞めていく会社」に足りない視点 優秀人材の流出を防ぐ5つの具体策

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コーナーストーンのキャリア・トレンド・レポートによれば、高パフォーマンス組織の75%が社内にいる高ポテンシャル人材を洗い出しているものの、そのことを明確に、相手に伝えているケースは29%にすぎません。

あなたの会社には社員が成長できる機会があるかもしれませんが、見えていなければ、社員はそうしたチャンスが生かせることに気がつきません。

風通しをよくし、社員に対して現在および今後のニーズについて率直に伝えるようにしましょう。そして、社員を新たなチャンスに積極的に導けるようなシステムが確実に機能するようにすること。与えられた役割の中で個人としてどのように成長できるかということが、社員にとっては最大の関心事なのです。

社員が会社を辞めるのは・・・

2) 会社でのキャリアパスを確立する

社員に自らキャリアパスを作成させるよう支援し、社員と上司が互いにそれぞれの目標や期待することを明確に理解できるようにしましょう。

この点について、TheAdvisorCoach.comでフィナンシャルアドバイザー人材のリテンション施策に携わるジェームズ・ポラード氏は、「社員が会社を辞めるのは、行き詰まりを感じたときです。自分の期待がかなえられていないと思えば、会社を辞めようとします。優秀な人材を維持するために最も威力を発揮するものが、強力なサポートの存在です」と指摘しています。

上記のキャリア・トレンド・レポートによれば、社員の74%は、明確な目標を設定することによって、自分のキャリアの進捗状況を能動的にチェックしています。このプロセスに上司も積極的に関与することが、社員が会社に留まりながら目標が達成できるサポートをすることになるのです。

3) 部下を育成する上司が評価される仕組みを作る

社員の仕事への意欲はそれぞれに異なる動機があり、上司も例外ではありません。もし上司が優秀な人材を社内で昇進させることよりも、自分の部署に留めておくことに強い意欲を持っているとすれば、社員をリテンションするうえでの障害になりかねません。

キャリア・トレンド・レポートによると、パフォーマンスが高い組織の3分の2近くが社員の成長のためにコーチングに投資しています。マネジャークラスがコーチングやメンタリングのスキルを身に付けられるよう、積極的にトレーニングやサポートを行うとともに、人材育成と社内共有に取り組めばきちんと評価され、報酬に反映されるようにしましょう。

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