ロシアから燃料密輸?北朝鮮船「疑惑の航路」 545トンの船舶用燃料を積み込んだが…
問題となった8隻は、ロシア極東のウラジオストク港またはナホトカ港を出港。ポート・ステート・コントロールには、行き先として中国か韓国と申告していた。
ロシアを出港後、これらの船は北朝鮮の金策、清津、興南区域、羅津の港の沖でデータに記録されていた。中国に向かった船はなく、ほとんどの船が再びロシアに戻っていた。
8隻全てがディーゼル燃料を積んでいたと、ウラジオストクの船舶サービス関連企業の関係者は言う。それぞれの船舶の積載重量トン数は500〜2000トンだった。
北朝鮮の金策港に寄港
その中の1隻は、北朝鮮のKorea Kyongun Shippingが所有するマドゥサン号だ。同船は、ロシアのインディペンデント・ペトロリューム・カンパニー(IPC)が所有するウラジオストク港のターミナルで545トンの船舶用燃料を積み込んだ。
ロイターは、マドゥサン号が貨物を積んだ際に発行された船積書類の「船荷証券」を入手した。5月19日付で、カーゴはIPCが所有するハバロフスキーNPZ精製所から来ていた。
同船は、5月20日に出港。ロシアの港湾当局に提出した書類によると、次の寄港地は中国の湛江市の予定だった。船荷証券には、韓国の釜山港と記載されていた。
だが、ウラジオストク出港後、次に記録が残っているマドゥサン号の寄港位置は、北朝鮮の金策港内だった。