トランプ政権は「金融規制緩和」を加速させる FRB新体制でウォール街との絆が強まった

✎ 1〜 ✎ 29 ✎ 30 ✎ 31 ✎ 最新
拡大
縮小
トランプ政権はここへきて弱体化しているどころか、むしろ安定化してきている(写真:ロイター/Brendan Mcdermid)

ドナルド・トランプ米大統領は、9月19日に行った国連総会演説で、北朝鮮の金正恩労働党委員長を「ロケットマン」と呼び、同国が強行する核・ミサイル開発について、「世界全体に脅威を与えている」と糾弾した。

この連載の一覧はこちら

トランプ大統領が北朝鮮の暴走にどう立ち向かうか、予断を許さない。筆者の見立てでは、すでに北朝鮮は「レッドライン(越えてはいけない一線)」をはるかに越えてしまっている。その意味では、軍事力を行使する可能性もゼロとはいえない状態だ。

それでもトランプ政権が先制攻撃に打って出ないのはなぜなのだろうか。

金融規制緩和派のFRB副議長を起用

トランプ大統領の「炎と怒り」発言は単なる脅しにすぎなかったのか。そうだとすれば、ひところの勢いから、かなり後退しているのではないか。国内政策をめぐって野党の民主党との歩み寄りを見せているのは、トランプ政権の弱体化を示すものではないか――。米メディアの一部には、そんな論調もある。

が、トランプ政権はここへきて弱体化しているどころか、むしろ安定化したと筆者は見ている。その根拠の一つは、ホワイトハウス報道官が「トランプ政権の7年半」というフレーズを使うようになったことだ。それはトランプ再選を当然視しているキーワードだが、それに対して米メディアも目くじらを立てていない。

もう一つの有力な根拠は、FRB(米連邦準備制度理事会)副議長の人選だ。7月10日、トランプ大統領はFRBの銀行監督担当の副議長として、ランダル・クオールズ氏を指名した。

次ページクオールズ氏とは?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT