路面電車と“ぶつからない車”

マツダや東大などが実験に着手

東京大学と自動車メーカーのマツダ、広島電鉄、独立行政法人・交通安全環境研究所は、自動車と路面電車が互いに通信(車車間通信)することで衝突などの事故を防止する仕組みを共同で開発、広島市内で実証実験を開始した。自動車同士が通信して事故を防ぐシステムの実験は世界各地で行われているが、路面電車と自動車との間でのシステムは世界で初めてという。

このシステムでは、自動車と路面電車にそれぞれ専用の無線通信機を搭載、互いの位置情報を通信し合うことで、見通しの悪い交差点など、死角に入っているような場合でも警告を発し、注意を促す。

接近情報をドライバー、運転士に通知

たとえば、路面電車が走る幹線道路に、見通しの効かない脇道から自動車が右折進入しようとする場合、路面電車の軌道を横切ることになり衝突事故につながる危険がある。このとき、路面電車接近の情報を、自動車のヘッドアップディスプレイへのアイコン表示や警報音でドライバーに知らせる。逆に、路面電車に対しては、右折進入自動車の存在を画面表示などで運転士に通報する。

実証実験は、広電江波線の舟入幸町~江波間周辺で実施、路面電車の最新鋭超低床路面電車1000系、自動車はマツダの新型アテンザを改造した。アテンザはもともと自律型(独立型)の衝突防止システムを搭載しており、マツダでは、このシステムとも協調させ、より安全性の高い仕組みを開発した。

車車間通信を用いる衝突防止システムは、国土交通省が旗振り役となって産学で長らく開発が行われているが、思うように開発・普及が進んでいない。今回の開発を手掛けた東京大学生産技術研究所の須田義大教授は「車車間通信は、無線機器のコストが高いため普及が進まず、その結果、コストも下がらないという循環に陥っている」と話す。

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