「箱根の龍宮殿」が日帰り温泉に変わった理由 目玉は、浴場からの箱根屈指の絶景
米投資ファンドのサーベラスグループが、8月10日付で西武ホールディングス(HD)株式をすべて売却した。
2006年、有価証券報告書虚偽記載問題で西武鉄道が上場廃止に追い込まれるなど、苦境に陥った西武グループに対し、サーベラスが約1000億円を出資。その後は、サーベラスがTOB(株式公開買い付け)を行い、経営再編を迫るなど、西武グループにとっては緊張の11年だったと思われるが、この間、西武鉄道とともに、西武HD子会社であるプリンスホテルの事業は、“復活”を遂げた印象だ。
例を挙げれば、昨年は、旧赤坂プリンスホテル跡地に「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」をオープンし、今夏は神奈川県の大磯プリンスホテルに大規模なスパ施設をオープンした。
そして、この7月22日、箱根・芦ノ湖畔にオープンしたのが「絶景日帰り温泉 龍宮殿本館」だ。龍宮殿本館は、国有形文化財に登録された旅館建築を“日帰り温泉”としてリニューアルしたことで注目を集めている。
京都・宇治の平等院鳳凰堂をモデルにした龍宮殿本館の建物は、もともと、1938(昭和13)年に、当時の「飛島組(現・飛島建設)」の飛島繁氏により「浜名湖ホテル」として建てられたもので、1957(昭和32)年に芦ノ湖畔に移築後、旅館「龍宮殿」として営業してきた。
しかし、老朽化が進み、耐震工事が必要となったことなどから、2012年より休業。2016年11月から耐震および建物リニューアル工事を進めるとともに、2017年3月に国登録有形文化財に答申、7月に登録された。
どのような“絶景”が楽しめるのか
まずは、館内を案内していただいた。今回の日帰り温泉施設としてのリニューアルにあたっての、いちばん大きな建物改装のポイントは、やはり浴室だ。
改装前は、内風呂が2つあり、男湯、女湯として交代で使っていたが、この2つの風呂を男性用内風呂と露天風呂に衣替えし、女性用浴室(内風呂、露天風呂、女性専用湯休み処)は、芦ノ湖に向かって突き出るように、450平方メートルの新棟を増床、新設した。
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