「箱根の龍宮殿」が日帰り温泉に変わった理由

目玉は、浴場からの箱根屈指の絶景

取材前は、平面図を見る限り、男性浴室に比べ、女性浴室がかなり広めに確保されているので、昨今、明らかな“女性優遇”が見られる温泉旅館が多いため、「またか」と思ったが、実際に訪れてみると、それほどの差は感じられなかった。

女湯露天風呂から見た、シルエットになった富士山(提供:プリンスホテル)

というのは、確かに新しさやゆったり感、さらに、露天風呂が芦ノ湖に溶け込むような“インフィニティプール”のような構造になっているなど、女性浴室は魅力的なつくりになっているが、一方で、男性浴室の歴史ある旅館建築ならではの風格も、なかなか捨てがたいものがあり、一概にどちらがいいとは言えないのだ。

なお、同館の最大のウリである芦ノ湖、富士山、箱根外輪山の3つを同時に見ることができる“絶景”に関しては、男女どちらの露天風呂からも楽しめる。

このほか、1階には男女共用の湯休み処、個室の湯休み処が4室、スパ、食事処などが設けられている。2階は客室が10室、改装前のまま残されており、現在は使われていない。

ちなみに、今回のリニューアル工事の総工費は5億8000万円だ。

なぜ、日帰り温泉になったのか

男湯内湯からの展望。歴史ある旅館建築の風格が男湯の魅力になっている(提供:プリンスホテル)

ところで、2017年の箱根は、「箱根小涌園 天悠」(藤田観光)、「箱根・芦ノ湖 はなをり」(オリックス不動産)、「ススキの原 一の湯」(一の湯)と、旅館の新規オープンが相次いでいる。

また、箱根町が公開している統計によれば、箱根の宿泊客数は、火山活動が活発化した2015年は366万5231人と落ち込んだものの、2016年は433万8824人と、2014年の460万6751人とほぼ同水準にまで回復している。これは、外国人の宿泊者が、ここ数年、急増していることによる後押しもある。

宿泊部屋数を減らし、日帰り温泉にするのは、箱根の現在のトレンドに反するようにも思えるが、その理由などについて、同館を運営するプリンスホテルの箱根芦ノ湖地区事業戦略リーダー、稲葉健二氏に話をうかがった。

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