なぜスマホゲームは「不倫」へと発展するのか 「出会い」の中心地はSNSからネトゲに移行

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もう1人お話を伺ったのは、中村良子さん(仮名・45歳)。派遣社員をしている彼女には海外赴任中の夫がおり、小学校6年生の娘とともに、東京都杉並区内の実家に暮らしている。

「仕事がヒマだから、ここ2年くらいはいろんなゲームアプリで遊んでいます。イケメンが出てくる戦国モノや、超人気ゲームの『刀剣乱舞』などにもハマりましたが、やはり『ファイナルファンタジー』『ファイアーエムブレム』シリーズなど昔ハマったゲームが面白いと感じます」

良子さんが、不倫相手と出会ったのは、ゲーム情報を交換する“Lobi”というゲーマー専用のSNS。

「女子のゲーム仲間から教えてもらって始めました。そこであるゲームの情報を交換するグループに入ったのですが、この居心地がよくて。そこで、リアルでも会うことに。待ち合わせ場所は池袋の激安居酒屋でした。男女混合6人というサークルみたいな感じが久しぶりで胸が熱くなりました。メンバーは20~40代までいるのですが、ゲームが共通の話題になるから、話が尽きないんです」

良子さんは、LINEを交換した、7歳年下のガテン系のバツイチ独身男性から誘われる。

「その日のうちに、流れでエッチしました。ゲームを通じて、優しい性格だと知っていたのでOKしたんです。夫とは8年以上レスなので、最初はすごく痛かったですが、まだ女性としてイケてるんだと思ってホッとしました。その後、“Lobi”で知り合った数人の男性とゴハンを食べに行っています。エッチまでした人は少ないかな」

ゲームを通じた出会いには利点がある

ゲームを通じた出会いのいいところは、あからさまなエッチ目的ではなく、コミュニケーションを楽しめること。良子さんは独身の男女の出会いの場としても十分機能している、と語る。

「ゲームを通じて知り合って付き合った人もいると聞きます。共通の話題があるし、会う前に性格がなんとなくつかめている。それにこれは私の経験ですが、スマホゲームはガテン系の人が多い。みんな優しくて明るくていい感じなんです」

ほかにも、ゲームで出会いがあったと語る女性は増えている。SNSに比べて、バーチャルとリアルの境界線が明確なゲームで、心身共に満たされる人はこれからも増えていくだろう。

沢木 文 Writer&Editor

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さわき あや / Aya Sawaki

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。
 

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