30分50円の「シェア自転車」は、流行するか 鴻海、テンセントも支援する中国企業が展開

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札幌では30分ごとに50円、乗り捨てではなく駐輪場に止める。年内1000台体制が目標(写真:モバイク・ジャパン)

シェアリングエコノミーの大物が日本に上陸した。8月23日、自転車を会員間でシェアする「バイクシェア」で世界大手の中国モバイクが札幌で事業を開始したのだ。

モバイクは2015年設立。サービス開始はわずか1年4カ月前だ。上海を皮切りに北京など各都市に次々と展開。若者を中心に人気となり、わずか3カ月で会員は1億人を超えた。

2017年に入ると海外展開を始める。3月にシンガポール、6月に英マンチェスター、7月に伊フィレンツェに上陸。世界全体の運用台数は2月約400万台から、今年末に一気に1500万台となる見通しだ。日本でも札幌以外に10都市と協議中だという。

超強力な2社の大株主

急成長を支えるのは巨大資本だ。モバイクはベンチャーにもかかわらず、すでに10億ドル近い資金を集めている。大株主は中国ネット大手の騰訊(テンセント)と台湾の電子機器受託製造大手・鴻海(ホンハイ)精密工業だ。

大株主の支援は資金面だけではない。たとえば、テンセントのアプリからモバイクの会員登録ができるようになっている。

鴻海も強力な後ろ盾だ。モバイクの自転車は江蘇省無錫市にある自社工場では生産が追い付かず、鴻海にも組み立てを依頼している。「自転車のデザインがおしゃれ」と若者に人気なのは、iPhoneで培ったデザイン力が大きいという。

モバイクのクリス・マーティン国際展開部長は「2社は重要な株主。テンセントの会員は9.3億人で伸びしろはまだまだある。鴻海とは共同で車体を開発・生産している」と語る。

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