東急豪華列車「JR横浜駅発着」になったワケ

東海道線と伊豆急線を走る列車と東急の関係

7月21日、営業初日の横浜駅7番線でテープカットが行われた(写真:レールマンフォトオフィス)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2017年10月号「おれんじ食堂からロイヤルエクスプレスへ」を再構成した記事を掲載します。

7月21日(金)の11時50分、梅雨明けの強い日差しの中、 JR東日本の横浜駅7番線から新しい列車が晴れやかに発車した。丸味ある車体は陽光を反射するブルーで、ライト周りの化粧帯や、王冠を載せたエンブレムはまさに煌めいていた。それだけで夏の伊豆東海岸の海が思い浮かぶ。

THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)。伊豆急行2100系「アルファ・リゾート21」を大改装した8両編成で、全体が“列車のレストラン”になっている。コンセプトは「憧れの旅」。一般の列車と異なる贅沢さを価値としており、食事を楽しみつつ伊豆へ旅するクルーズ的な列車としての位置付けだ。

JRと東急の駅長が共同で発車合図

乗客らは専用ラウンジに集合し、クルーに導かれて列車に乗り込む。ラウンジでは、この列車のために作られた曲が生演奏されるなど、乗車前の光景も一般の列車と異なりエレガント。先頭で行われた出発式では、東京急行電鉄社長とJR東日本横浜支社長に挟まれて、中央で水戸岡鋭治氏がテープを切り、発車合図として手を高々と挙げるのも東急とJR東日本両社の横浜駅長という“共同作業”だった。

さて、このTHE ROYAL EXPRESSは、横浜から伊豆急下田へ向かう。この間のJR東日本と伊豆急の相互直通運転の関係はよく知られているが、JRホームに東急の社長や東横線横浜駅長が立つのは異例の光景だ。

これはそもそも、伊豆急と東急の深い関係性による。創業期から東急(目黒蒲田電鉄)は屈指のディベロッパーとして都市開発を手がけ、今は渋谷を未来の街へ変える再開発に取り組んでいる。一方、東急経営陣が戦後、直系の子会社を設立して情熱を傾けて建設した伊豆急行沿線は、海水浴ブームが去った後、団体旅行の減少やバブル崩壊の影響などにより活力を失ったまま回復できていない。

東京から至近で自然にあふれる伊豆をこのままにしてよいのか。復活の緒をつかめずにいる地元に東急として力を与える方法がないかを検討した結果、THE ROYAL EXPRESSに結び付いた。

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