新房監督と仕事がしたかった
――原作のドラマは岩井俊二監督が1993年に発表した作品となりますが、今から20年以上前の作品をなぜ今、アニメ化しようと思ったのでしょうか?
川村:単純に僕が岩井俊二監督作品の中で「打ち上げ花火~」がいちばん好きだったということです。映画を作り始めた10年くらい前から、いつか何かできたらいいなとは思っていました。しかし、あまりにも完璧な作品で、かつ(ヒロインの)奥菜恵さんがあまりにもすばらしすぎるので、これは触れちゃいかんよな、どうにもできないよなと思っていました。
――新房監督とはどのタイミングで一緒にやろうとなったのでしょうか?
川村:5年ほど前、アニメの映画も作り始めていた時に、いろんなアニメーションを観ていました。そのなかで新房監督の「化物語」を観て、こんな演出があるのかと、すごくビックリしたんです。これは面白いなと。決定的だったのは「魔法少女まどか☆マギカ」。物語も面白いし、犬カレーさんのビジュアルも面白かった。それで新房さんとお仕事をさせていただきたいなと思い、会いに行ったんです。
ただ、手ぶらで行くのもなんだな、と思ったときに「打ち上げ花火~」を思い出したんです。(新房監督とタッグを組んできた)渡辺明夫さんの画で(ヒロインの)なずなを描いたら、これはアニメならではのヒロインとして、新しい発見があるのでは?と思い、企画を持っていったというのが経緯です。
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