iPhoneで動かす「カーズ」のおもちゃが秀逸だ 「ライトニング・マックィーン」がしゃべる!

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タイヤは、どんな床材の上でもきちんとグリップとドリフトのコントロールが可能な素材が使用されている(筆者撮影)

そして、マックィーンの見せどころは、なんと言ってもドリフトだ。タイヤにはどんな床材の上でもきちんとグリップとドリフトのコントロールが可能な素材を選んでおり、低いスピードでもスピンターンを華麗に決めることができる。

また、カーズの映画を見る際には、映画の音声をスマートフォンのアプリで拾い、ストーリーの進行に合わせてリアクションも取ってくれる。カーズの世界観を、本気で現実世界に持ち出すべく、ロボティックスとソフトウエアのエンジニアリングを実現したのだ。

プログラミングロボットで注目を集める

スフィロのデジタルトイは、プログラミング教材としても注目されている。主力製品であるSPRK+は、モーターやジャイロセンサー、Bluetoothなどを内蔵した球状のロボットで、スマートフォンやタブレットのアプリと接続することで自在にコントロールすることができる。

そのアプリ内では、軌跡を描いたり、ブロックを使ったり、JavaScriptコードを直接書くことで、SPRK+を自由に動かしたり、光らせたりすることができる仕組みを提供している。指で画面に絵が描ければ、SPRK+を動かすことができるのだ。

ウィルソン氏は、デジタルトイならではの遊び方やインタラクションの方法を、ステップアップしながら習得していく設計で、子どもたちの体験を作り上げていると語る。そうした手軽な入口を用意している点が、スフィロのプログラミング教材としての評価を作り出している。

ディズニーとも関係が深いアップルは、スフィロとプログラミング教育の分野での連携を強めている。

Apple Storeで行われるプログラミングのセッションに、SPRK+を採用しているほか、6月に開催されたWWDC 2017でアナウンスされたiPad向けプログラミング学習アプリ「Swift Playgrounds 2」では、Swiftコードを書くことで、SPRK+を動作させることができるようになる。

ウィルソン氏はもちろん、ライトニング・マックィーンの出来に満足し、ロボットとソフトウエアによるアニメキャラのリアルな再現に自信を見せる。また現在、スフィロブランドのデジタルトイを3製品準備しており、おもちゃとして、またプログラミングの入口として、引き続き注目していくべきだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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