京王の「通勤ライナー」は他社とはひと味違う 先頭形状は鋭角で、車内案内はステレオ放送
朝夕の混雑時にゆっくり座って通勤したい。そんなビジネスパーソンの小さな夢をかなえてくれるのが、通勤ライナーという存在だ。
有料座席指定タイプの西武鉄道「Sトレイン」、席は決まっていないが必ず座れる有料座席定員タイプの東武鉄道「TJライナー」など、昨今の大手私鉄各社は相次いで通勤ライナーを導入している。
7月19日、京王電鉄も通勤ライナー用の車両をお披露目した。京王の場合は、Sトレイン同様、有料座席指定を想定している。
先頭車両は50cm長い
この日、若葉台駅近くの車両基地で公開されたのは「5000系」と呼ばれる10両編成の車両だ。9月から通常の通勤電車として営業運転を開始し、2018年春から平日・土休日の夜間帰宅時間帯に新宿発京王八王子行き、同橋本行きの有料座席指定列車として使用される。
特急列車のように鋭角な正面形状が目を引く。「当社初の有料座席指定列車。ひと目でわかるようなデザインにしたかった」と、車両の開発を手掛けた若松茂則・車両計画改良担当課長が狙いを説明する。長方形の一般的な通勤車両よりも先頭車両の寸法を50cm長くするとともに、乗務員室の機器構成を見直し、フロント面の傾斜を大きくとることで「シャープな顔」を実現した。
新幹線のようにとんがったデザインにしてもよかったのでは?こんな質問に若松課長はこう答えてくれた。「新幹線とまではいかないが、2m伸ばす案は検討した」という。先頭車両の乗車スペースは減らさないという大前提に立ち、2m案から検討を開始。少しずつ短くしていって、最終的に現在の長さに落ち着いた。「結果的には、デザイン面からみて今の長さがいちばんぴったりくる」(若松課長)。
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