日野原氏は理想のために笹川マネーも使った

105年の人生で残した多大な功績を振り返る

笹川良一氏(右)は資金面で日野原重明氏の挑戦を支えた(撮影:東洋経済写真部)
7月18日午前、聖路加国際病院の日野原重明名誉院長が105歳で亡くなった。昨年、日野原氏へのインタビューを『日野原重明先生の生き方教室』にまとめたジャーナリストの大西康之氏に、日野原氏の功績について緊急寄稿してもらった。

 

「シニアは75歳から。74歳まではジュニアです!」

日野原氏がライフワークとしていた「新老人の会」で、マイクを握った日野原氏がそう叫ぶと、いつも会場はドッと沸いた。100歳を超えた日野原氏から見れば、75歳は子供同然なのである。日野原氏は超高齢化社会の先頭を走るアイコンだった。

予防医療の普及に半生を捧げた

日野原氏の最大の功績は日本における「予防医療」の普及だろう。

「病気になってから病院に行くより、病気になる前に行って予防した方が本人のためにも社会のためにも良いはずだ」

そう考えた日野原氏は1973年に「財団法人ライフ・プランニング・センター」を立ち上げ、予防医療の普及に半生を捧げた。最初にやったのは「家庭での血圧測定」だった。

今でこそ、家庭に血圧計があるのは当たり前だが、当時、血圧測定は「医療行為」とされ、病院で医師や看護師に測ってもらうしかなかった。面倒だから誰も普段から血圧は計らない。ある日突然、脳溢血や心臓発作など高血圧に由来する病気で倒れるのだ。

氏は厚生省(現在の厚生労働省)と掛け合い、家庭での血圧測定を認めさせる。一方でライフ・プランニング・センターは全国を巡回し、プロの看護師が主婦たちに血圧計(当時は水銀を使っていた)の使い方を教えた。

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