外国人留学生がガッカリする日本の就職事情 政府も企業も大学も「宝の持ち腐れ」だ
「就職の面接で『いずれは母国に戻る』と回答したら不採用になると聞きました。せっかく日本で勉強したのだから、まずは日本で仕事してみようというのが素直な気持ちですが、正直に答えてはいけないのは変だと思います」
「日本で働きたいと思っても、大企業ならともかく、そもそも名前を知らない中小企業と出合うチャンスはほとんどありません」
「大学の留学課は生活や履修のことには相談に乗ってくれますが、就職のこととなると、まるで取り合ってくれません。『キャリアセンターに相談してください』と言われ、キャリアセンターに行ったら『留学課で相談してくれ』とたらい回しにあいました」
「工場や小売り・サービス業で働くために日本へ留学に来たワケではないのですが、就職できそうな企業はそれらばっかりです」
これは海外から日本へ学びに来ている外国人留学生の声です。彼ら、彼女らの多くが日本国内で就職をしようと思っても、さまざまなハードルに阻まれ、うまくいく人は多くありません。
留学生就労へのコンセンサスがない
日本政府は2008年に、当時14万人だった留学生を2020年をメドに30万人まで増やす「留学生30万人計画」を打ち出しました。首相官邸のウェブサイトによれば、同計画は、日本を世界により開かれた国とする「グローバル戦略」の一環だとしています。計画の実施から9年経ったいま、日本学生支援機構の高等教育機関などの外国人留学生在籍状況調査によれば、2016年5月1日現在の外国人留学生は23万9287人。8年で約10万人増えた計算です。
留学生を増やそうとしている背景には、彼ら、彼女らが人材として日本企業のグローバル化に貢献することへの期待があります。そのためには、優秀な外国人留学生を呼び込み、高等教育を授け、卒業後は日本で就労してもらうことが必要になります。
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