安倍首相のオーラは国際社会でも陰っている G20ではメラニア夫人の「内助」が光ったが…

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「オープンフェイス」とは、両眉を自然に上げて、文字どおり顔の面積を広げることだ。日本的な描写をすれば、ビックリした表情にも見える。ウォール街の訴訟弁護士の間で常識になっていることだが、その表情は、ごく素直に心の底から出てくる「いい顔」「最高に正直な表情」とされる。

メラニア夫人から直接ノウハウを学んだトランプ氏は、国際舞台の主催国ドイツのメルケル首相に、その「オープンフェイス」をさせるのに成功したのだ。

安倍晋三首相のオーラが陰ってきた

トランプ氏はコンサートホールでも本領を発揮した。ケント・ナガノ氏の名指揮者ぶりに、会場全体が拍手喝采を送っている最中に、トランプ氏はメラニア夫人を挟んで左隣にいる韓国の文在寅大統領の手を持ち上げ、両者の握手を会場全体に見せて、喝采に花を咲かせた。この派手な振る舞いには、すぐうしろにいるメルケル首脳や習近平主席も「オープンフェイス」で大喜びした。

国際映像で最も頻繁に大写しとなった各国首脳たちは、主催者のメルケル首相を別にすれば、トランプ大統領、プーチン大統領、習主席、マクロン大統領らで、安倍首相はそれほど目立たなかった。安倍首相のオーラが陰ってきているのは、日本だけでないのだ。国際的な場面でも森友学園・加計学園スキャンダルが影響している。

グーグル米国版では、連日、「モリトモ」「カケ」が取り上げられ、昭恵夫人の名も具体的に言及されている。このスキャンダルが米国でも頻繁に報じられたダメージは大きい。昭恵夫人が「内助の功」を発揮することができなかったのは、何とも皮肉である。

安倍・トランプ会談後の記者会見では、安倍首相が日米関係の「ロバスト・パートナーシップ」という表現を使ったのは見事だった。ただ、両者の握手は、以前の19秒から3秒足らずで終わった。熱々だった日米首脳関係が冷めてきた証であろうか。

湯浅 卓 米国弁護士

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ゆあさ たかし / Takashi Yuasa

米国弁護士(ニューヨーク州、ワシントンD.C.)の資格を持つ。東大法学部卒業後、UCLA、コロンビア、ハーバードの各ロースクールに学ぶ。ロックフェラーセンターの三菱地所への売却案件(1989年)では、ロックフェラーグループのアドバイザーの中軸として活躍した。映画評論家、学術分野での寄付普及などでも活躍。桃山学院大学客員教授。

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