「赤羽」が急速に女子人気を集めている事情

安い飲食店が多いだけではない

この店を皮切りに、アジアンバルやスペインバル、イタリアンバルと多種多様な味を売りにする店が続々と登場し、これまで店舗の少なかった線路沿いにも増殖している。

歩いていると、2~3店おきにワインを売りにしたバルが並んでいる一角もあり、新たな名物となっている。こうした状況を鑑みると、赤羽人気はテレビ番組が始まった2015年以前から実は始まっていたと考えるのが妥当かもしれない。

店舗価格はここ数年で2倍近くに

現在は大半が飲食店となっている赤羽一番街。ちょうど、東洋大学開設を祝う垂れ幕が飾られていた(筆者撮影)

ここへきて、赤羽がさらに飛躍する要素が出てきた。それが、2017年に開設された東洋大学の赤羽台キャンパスである。新設された情報連携学部が置かれ、今後しばらくは若い人口が見込めそうなのだ。1学年400人という学部のため、最終的には学生だけで1600人あまり。まとまった数の若い人が増えれば、街にさらなる変化が起きるかもしれない。

一方、マイナス的な現象も起き始めている。賃料、物件価格の高騰だ。「メインストリートでは店舗価格がここ数年で2倍近くにハネ上がっていると聞きます。それだけ上がるとなると、店を閉め、売ったほうが得と考える人が出てくるかもしれません」と、ケン・トータル・コンサルティングの代表取締役、内田憲一郎氏は話す。実際、高値を嫌って、近隣の王子などに店を出すケースが出はじめているという。

とはいえ、1度入った店が出なければ賃料はそれほど上がらないし、又貸しが多いことからわかるように権利関係が複雑なため、再開発もしにくい。「狭い」「男女共用のトイレしかない」など女性からするとマイナス面も少なくないが、今の赤羽は70年前「東京一の商店街」と言われていた頃のにぎわいを取り戻していると懐かしむ人も増えている。

もっとも、70年前は衣類や食品を売りにするごく普通の商店街だったが、ここ10年で赤羽は「せんべろ」居酒屋からバルまでそろう東京きっての飲食店街に変貌し、多種多様な人を引きつける街に進化した。今後、それがまた変わるとしても、多くの人を受け入れ、多くの人にチャンスを与える街であり続けてほしいものである。

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