あの「熱海」に再び観光客が集まっている理由 宿泊客数は2011年を底にV字回復
東京駅から新幹線「こだま」でわずか45分。首都圏至近の温泉地、熱海が活気づいている。週末、熱海駅前には外国人を含む多くの観光客が押し寄せ、足湯に浸かり、大道芸に拍手している。2016年秋の完成を目指して駅ビルの建設が進み、大型タワーマンションも姿を見せ始めている。実際、入湯税から推察される宿泊客数は2011年を底にV字回復。宿泊施設は人手不足の状態が続いている。
しかし、近年まで熱海の印象は決して明るくなかった。2000年前後から廃墟化した大型ホテルの姿がテレビ、雑誌などに数多く登場。熱海には衰退した温泉地という印象がつきまとうようになった。長らく低迷していた熱海にいったい何が起きているのだろうか。
熱海駅からバスで10分ほどで着く熱海銀座商店街も駅前同様、熱気を帯びている。創業100年を超える老舗なども軒を連ねる歴史のある商店街の中でも、ひときわにぎわっているのが、商店街の真ん中あたりに位置する「カフェRoCA」と、その向かいにある「ゲストハウスマルヤ」だ。
老舗商店街に誕生した開放的な施設
かつて証券会社だった空き家をリノベーションしたRoCAが誕生したのは3年前。40坪もある広々としたカフェは、通りから店内が見渡せるオープンさが売りで、店では地元の名産や野菜をたっぷりと使った自慢料理がふるまわれる。
無料でWiFiが利用できるほか、テラス席ではペットもOKと、老舗商店街らしからぬ「自由さ」が観光客から好評だ。同じく開放的な雰囲気のマルヤでは、「ゆる酒会」や「朝ヨガ」などのイベントを開催。こうした新たな取り組みが若者や外国人を引きつけるきっかけとなっている。
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