7月2日に投開票された東京都議会議員選挙は、地域政党「都民ファーストの会」が大幅に議席を増やし、自民党は獲得議席が過去最低に留まるという、劇的な結果に終わった。都民ファーストの会は、「ふるい都議会を、あたらしく!」をスローガンに掲げ、各選挙区で新たに議席を獲得した。
この選挙結果が、国政にどう影響するか、注目される。都議選前に加計学園問題がらみで、今秋の臨時国会の開会すらためらっていた自民党は、都議選の結果を受けて閉会中審査に応じる方針に転じた。これが都議選前の「安倍一強」の流れを変えるともみられている。はたしてどうなるか。
その前に、都議選の結果が今後の東京都政に与える影響を展望しよう。
都民ファーストも自民も政策に大差なし
都議会第1党になった都民ファーストの会が、都議会運営でも主導権を握るとみられる。都民ファーストの会は都議選に向けて14の基本政策を掲げた。これらをみると、都議会改革と豊洲市場移転、情報公開の推進、利権の一掃といったところは、これまで都議会第1党だった自民党との違いを見せるが、残る政策(実はこちらのほうが予算規模は大きい)は、濃淡の差や実現時期の差はあれ、自民党でも賛同するような内容だ。
逆にいえば、自民党とは政策面で決定的な違いを見せないようにしたから、保守層の有権者も、都民ファーストの会の候補者に投票できた、ともいえる。もし都民ファーストの会が、自民党と政策面で決定的な違いを打ち出していれば、昨今の森友学園問題や加計学園問題への対応で自民党の候補者に投票することをためらう保守層の有権者が、そんな都民ファーストの会の候補者に容易に投票できなかっただろう。
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