小田急、保存ロマンスカーなど一部を解体へ 複々線化で車両スペース不足「苦渋の決断」

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2012年に引退したロマンスカー10000形HiSEの現役当時の姿。保存している3両のうち1両を残す(記者撮影)

小田急電鉄が、車両基地に保存している歴代ロマンスカーなどの保存車両を一部解体することが7月6日、明らかになった。2018年3月の複々線化完成に伴う増発のため、車両の収容スペースが不足することが理由。小田急は「苦渋の決断。保存している車種は必ず残していくという前提で、複数ある車両については一部を解体することにした」と説明している。

同一車種の一部を解体

現在、小田急が保存している引退車両は全部で8形式。特急ロマンスカーが3000形SE、3100形NSE、10000形HiSE、20000形RSEの4形式、一般車両がモハ1形、2200形、2600形、9000形の4形式で、ロマンスカー全車種と2200形は複数の車両を保存している。3000形は新幹線の開発にも影響を与えた歴史的な車両で、そのほかの車種も、鉄道愛好家団体「鉄道友の会」が優秀車両に贈る「ブルーリボン賞」や「ローレル賞」を受賞した車両がほとんどだ。

これらの車両は、3000形SE車が海老名車両基地(神奈川県海老名市)の専用保管庫にある以外は喜多見電車基地(世田谷区)に置かれている。6月下旬、10000形HiSEが喜多見から大野総合車両所(神奈川県相模原市)に回送され、何らかの動きがあるのではと鉄道ファンの話題を呼んでいた。

一部車両を解体するのは、6両ある3100形、3両ある10000形と20000形、2両ある2200形の4形式。3000形も5両あるが、今回は喜多見電車基地のスペース確保が理由のため、同形式については「具体的には決まっていないが、現状のまま」(小田急)という。

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