パナソニックが「プロパー主義」を捨てる事情 樋口専務に続き、7月にはLIXILから幹部登用
6月29日の定時株主総会で、パナソニックの津賀一宏社長は就任6年目に突入した。2016年度は先行投資がかさみ営業減益に沈んだが、今年度は創業100周年を迎える記念イヤー(1918年3月創業)。増益回帰は至上命令だ。
反転攻勢に向けて、津賀社長は役員を大幅に刷新した。その中で最も注目を集めたのは、日本マイクロソフト前会長の樋口泰行氏を代表取締役専務に抜擢したことだ。
樋口氏は1980年にパナソニックに入社し、溶接機事業などに12年間在籍した。その後、MBA留学をきっかけに転職を決意。ボストンコンサルティンググループやアップルコンピュータ(現アップル)を渡り歩き、日本ヒューレットパッカード、ダイエー、日本マイクロソフトで社長を務めた。
「生え抜きでは変革できない」
一度会社を辞めた人間を経営幹部として迎え入れる異例の人事を主導したのはほかでもない、津賀社長だ。
樋口氏は、社長が「外の人が入らないと変革が進まないと明言した」と明かす。津賀社長を含め4人しか持たない代表権も付与された。
“外の人”は樋口氏だけではない。「パナソニックを変革したいという津賀の強い思い」(伊藤好生副社長)から、ほかにも外部人材を幹部に登用している。
7月1日に入社したのが、LIXILジャパンカンパニーの執行役員を務めた山中雅恵氏。同氏は日本マイクロソフト時代の樋口氏の下で執行役員だった。パナソニックでも樋口氏が社長を務める、業務用の映像・音響機器などを扱う社内カンパニー、コネクティッドソリューションズ社(CNS社)の常務として迎え入れられた。
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