株価急落のパナソニック、「失望決算」の中身

9%下落、2年3カ月ぶりの1000円割れ

危機感を伝えるために、津賀社長は社内で厳しい言葉をかけている(撮影:風間仁一郎)

「足元の経営環境は厳しくなっている」――。2月3日に行われたパナソニックの2015年4月~12月期(第3四半期)決算会見。河井英明専務は堅い表情を見せた。

第3四半期の営業利益は3203億円(前年同期は同2903億円)となり、2ケタ増益を達成。津賀一宏社長が2012年の就任以来進めてきた、構造改革の効果が表れた格好だ。しかし同時に、2015年度の年間業績見通しの下方修正を発表。売上高を7兆5500億円、営業利益4100億円に減額した(従来の計画は売上高8兆円、営業利益4300億円)。

下方修正の最大要因は中国事業だ。中国の景気減速を受け、現地のエアコンやノートパソコン向け二次電池など電子部品の販売が低迷。2015年10月~12月期の3カ月間の中国における売上高は前年比88%となり、想定以上に落ち込んだ。国内で売り上げ規模の大きい太陽光発電システム事業が、市況悪化に伴い減収となった影響も大きい。

今期はテレビ事業の黒字化や構造改革による固定費の削減で増益は維持するものの、2年連続の減収となる見込みだ。決算を受けて、翌4日の株価は967.2円と前日比で9%近い急落となった。

減収トレンドから抜け出せない

「2016年は「実質増販」の実現へ、覚悟を持って臨む年にしたい」。津賀一宏社長は年頭所感でこう訴え、為替影響を除いた現地通貨ベースでの売り上げ成長への決意を示していた。津賀社長が売り上げ増にこだわる背景には、構造改革を完遂したものの、減収トレンドから抜け出せていない現状がある。

パナソニックは赤字事業の撤退や縮小、固定費削減を進め、大幅な収益改善を実現させた。2013年に中期計画で掲げた「2015年度に営業利益3500億円」という目標は1年前倒しで達成している。

そこで2015年度は、構造改革は完遂したとして、売り上げ増による増益に舵を切ったが、中国経済の鈍化や新興国の通貨安など外的要因に泣かされ、思惑通りにはなっていない。この状況が続けば、2016年度以降の増益維持に黄色信号が灯る。

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