医療と介護の緊密連携を阻んでいるのは誰か 約800人の医療・介護関係者にアンケート調査

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今後ますます重要となってくるのが医療と介護の連携だ(写真 : Rina / PIXTA)

在宅での医療や介護のサービス提供の充実に向け、今後、ますます重要となってくるのが医療と介護の連携だ。ただし現場関係者からは、その連携の難しさを嘆く声も、漏れ聞こえてくる。ならば実際に協働する上で、最も連携が取りにくい相手は誰か。

当記事は「CBnews」(株式会社 CBnews)の提供記事です

CBnewsは介護・医療の情報サービスを提供するエス・エム・エス(東京都港区)と協力して医療・介護連携に関するアンケート調査を実施し、約800人の医療・介護関係者から回答を得た。調査では、医療関係者はケアマネジャーを、ケアマネジャーは医師を、最も連携が取りにくい相手と考えていることなどが示された。

CBnewsでは、5月8日から29日にかけてインターネット上でアンケート調査を実施。病院と診療所の管理職、事務職、経営者といった医療の経営層や事務関係者ら302人から回答を得た。エス・エム・エス は同社が運営するケアマネジャー向けコミュニティーサイト「ケアマネドットコム」の会員ケアマネジャーを対象に 、インターネット上で調査を実施。4月19日から28日にかけて538人から有効回答を得た。

※この調査に関するエス・エム・エスの記事はこちら

医療は「ケアマネ」、ケアマネは「医師」

連携を取る際、最も連携を取りにくい相手を尋ねたところ、医療関係者では「ケアマネジャー」が23%で最多となった。次いで多かったのは「介護事業所の管理者」(18%)で、「該当者はいない」は13%だった。一方、ケアマネジャーでは「医師」との回答が74%で、4人に3人を占めた。「該当者はいない」は7%だった=グラフ1=。

医療側の自由回答では、「知識が乏しいことが多く明確に状況を説明できない」といった声も寄せられており、ケアマネジャーの医療的知識について、不安を覚える医師が多いことが浮き彫りとなっている。一方、「普段接点がないので何をしているのかが分かりづらい」など、ケアマネジャーの役割や専門性に十分な理解が及んでいないことをうかがわせる意見も寄せられた。

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