ベストセラー書籍に「黄金の法則」はあるのか

「売れる文章」を見極める驚異のアルゴリズム

ベストセラーは物語の基本をしっかり踏襲している(写真:Graphs / PIXTA)

売れる小説を書きたい――作家を志す人ならば、一度は妄想する夢だろう。印税収入だけで暮らしていけたら、人生どんなに楽なことか。しかし、当然のごとく世の中は残酷で、運よくデビューできても、ロクにヒットも出せぬまま消えていくケースなどいくらでも存在する。ましてや今や出版不況、売れない文芸作家に対する風当たりは一段と厳しい。

小説の「売れる法則」がアルゴリズムで判別可能に?

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そうした非情な現実の嵐に懊悩するあなたの耳元で、本書はささやく。実はベストセラー作品には、黄金の法則があるのですよ。しかもこれは評論家や批評家の主観的評価ではなく、最新のコンピューター・プログラムが弾き出した客観的データの集成であり、このアルゴリズムを通せばなんと80%の確率で売れるか否か判別可能なのです。それをあなたに特別にお教えしましょう、と。

……少々胡散くさい書き方をしてしまったが、本書『ベストセラーコード』は、タイトルに偽りなく、ベストセラーとなった小説の「売れる法則」をコンピューターで解き明かした一冊だ。

それでもなんだか眉唾だ、と思う向きがいるかもしれないので、フォローすると、著者は二人ともアメリカのバリバリの文学研究者で(ジョディ・アーチャーは元文芸研究員のフリージャーナリスト、マシュー・ショッカーズは計量文献学とテキスト・マイニングの第一人者)、この本を記す前提として、個人的な意見を一切差し挟まないことを保証している。つまり徹底して真面目な研究書なのである。

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