ベンチャーにとって大企業との連携は成長のための必要条件。大企業にとってもベンチャーとの連携は、イノベーティブな経営を続けるために必須といえます。しかし、実際のベンチャーと大企業との連携に「ボタンの掛け違え」が起こることは日常茶飯事です。
そんな状況を改善するために経済産業省が「連携の手引き書」を作成しました。本稿ではその概要を説明します。
なぜベンチャーと大企業との連携はうまくいかないのか
ベンチャーのイノベーションを大企業の経営資源(資金、人員、顧客チャネルなど)で事業化する連携事業が、いまや米国やヨーロッパの研究開発の現場やスタートアップコミュニティで主流となっています。大企業でも外部のイノベーションをうまく活用して新事業を拡大しています。
しかし、日本では、次のような会話がベンチャー経営者と大企業の新事業担当者との間で日々繰り返されているのが現状です。
○ベンチャー経営者
「この技術はユニークで、世界でも実現可能なのは当社のみです。いろいろな分野で活用可能なので、ぜひ御社と一緒に育てることができればと思います」
○大企業の新事業担当者
「面白いですね。持ち帰って社内で検討します。しばらくお時間をください」(1カ月後……)「慎重に検討しましたが、今回はご期待に添えないことになりました。私としては非常に有望な技術だと思うので、とても残念です」
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