米海軍が関心寄せる、“究極”の人材活用術

軍事ミサイルが手本?ジャスダック上場の日本通信が考案

オフィス中央に置かれた大型のディスプレー。出社した社員たちが、それぞれ自分のスケジュールを確認する。「今日の仕事は…。9時から11時まではコールセンター、11時から14時はパートナー企業と交渉して、14時から16時はヘルプデスクのメール対応か。最後の16時~18時は製品の出荷作業だな」

顧客のサポートから営業、さらには出荷作業まで、まったく関連性がないと思われる業務を1人の社員が次々とこなしていく。最短2時間で“人事異動”となることもザラ。これこそ、ジャスダックに上場する日本通信が採用する人事システム「クルーシステム」の働き方だ。最近では米国海軍の関係者も注目し、「クルーシステムを説明してほしい」と、東京・虎ノ門に本社を置く日本通信を訪れている。

日本通信はNTTドコモなどのネットワークを利用して、各種のモバイル通信サービスを提供する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」の先駆け的存在だ。個人向けのサービスでは、同社が発行するSIMカード(回線情報等が記録されている)を利用すれば、通信速度や通信量の制限はあるものの、月々1000円未満の低料金でスマートフォンを利用できる。法人向けでは、個別の無線通信ソリューションや、MVNOに参入する企業への支援、さまざまな設備や機械に通信機器を組み込む「M2M(機器間無線通信)」分野の支援などを展開している。

きっかけはリストラ

そんな日本通信がクルーシステム導入に動いたきっかけは、リストラだった。法人市場における苦戦から、2010年10月に個人向けへのシフトを宣言し、約3割の人員削減を断行した。また、2005年の上場以来、ドコモとの接続交渉が長期化していたこともあり「全社で打ち込めるような仕事が少なく、つねに成長を目指すカルチャーが失われかけていた」と、人材戦略を統括する片山美紀常務は振り返る。リストラによる人員不足という課題を抱えつつ、成長戦略も早期に打ち出さなければならない。当時の日本通信はまさに崖っ縁だった。

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