暗くて狭い「鉄道高架下」が人気化する必然

人と街をつなぐ「ハブ」が続々誕生

中央線沿いに誕生した「コミュニティステーション東小金井」で開かれたイベント(筆者撮影)

暗い、うるさい、狭い――。「逆三拍子」そろった鉄道の高架下ビジネスがにわかに活況を呈している。昨年11月にオープンした東京・東横線中目黒―祐天寺間にオープンした「中目黒高架下」には、蔦屋書店など大手から、しゃれたスパニッシュバル、B級グルメ感満載の空揚げ食堂まで28店舗が入居。他地域から訪れる人だけでなく、地元の人も利用する新たなスポットとして人気を集めている。

モノが売れないと言われて久しい。その一方で、都心部には東急プラザや銀座シックスなど新たな商業施設が続々とオープン。いずれもおカネをかけたラグジュアリーな空間が売りで、テナントには国内外の有名ブランドが並ぶ。こうした多額の費用をかけた高級施設の真逆を行くのが、高架下だろう。

地元の人が繰り返し通うところに

日本での高架下利用は1910年に新橋―上野間で開通した鉄道高架橋下から始まったが、近年オープンしている高架下の特徴は、単なる空間として使うのではなく、そこを訪れる人や住んでいる人をつないだり、街を活性化させる「ハブ」としての役割を帯びたりしてきていることだ。

中目黒高架下も人との関係や、地域の人を巻き込むことを重視して作られた。実際、出店している店舗の半数ほどは、中目黒で創業したなど、この地に何かしらの縁がある。また、地元商店会を通じて行った公募を経て出店に至った店舗もある。

店舗選定にあたっては人も重視したという。「中目黒のエリア外から来る人もターゲットとしつつ、メインターゲットを中目黒で働いている人、住んでいる人と考えた場合、1度来て終わりではなく、繰り返し来ていただきたい。そのためには味はもちろん、サービス、お客さまとのいい人間関係が作れる店主やスタッフがいて、あの人がいるからまた行こうと思ってもらえることが大事だと考えました」(東急電鉄都市創造本部・杉本里奈氏)。

それだけではない。高架下を眺めてみればわかるが、それぞれの店の作りが一軒ずつ異なり、個性的なのだ。一般的に、ある程度の規模がある商業施設は、施設としての統一感を大事にする。外装は施設側で統一し、内装を個店に任せるというようなやり方が多いわけだが、中目黒では外装もすべて個店に決めてもらった。

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