韓国で日本の「納豆」がブームになった理由

市場規模は直近の10年間で「10倍」に拡大

韓国では中高年に始まり、若者の間でも「納豆ファン」が増えており、需要の右肩上がりが続いている(写真:june. / PIXTA)

韓国でも北朝鮮情勢が、この数週間盛んに報道されている。だが、韓国の人々の関心は北朝鮮よりも大統領選挙に向いていて、日常生活に何ら影響のない日が続いていた。5月9日に行われた大統領選では、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏が新大統領に当選し、人々の注目は、今度は新大統領の動向に集まっている。日本で生活する人からすると意外に感じるかもしれないが、ソウルの街は普段と変わらない雰囲気のまま。韓国の人が好む健康や美容の情報も相変わらずあふれている。

韓国には健康に一家言ある人が多い。健康食品もキムチに始まり、朝鮮人参など漢方(韓国では「韓方」と表記する)の食材までを、市場やデパートの地下などで気軽に手に入れることができる。そんな「健康好き」な韓国で今、熱い人気を得ているのが、日本食の代表格ともいえる「納豆」だ。

韓国メーカーが「韓国人好み」の納豆を研究開発

韓国で自国食品メーカーの納豆が発売されたのは2005年。翌2006年の市場規模は25億ウォン(2億4500万円)ほどだったのが、昨年にはおよそ250億ウォン(24億5000万円)と、この10年で10倍にも膨らんでいる。

韓国で初めて納豆を製造・販売し、数々のヒット商品を市場に送り出している食品メーカーが「プルムウォン(Pulumone)」だ。なぜ、納豆を韓国でも売ろうと思ったのか。同社は、「納豆は米国の健康専門誌『ヘルス』が世界の5大健康食品に選定したほど栄養価の高い優れた食品なので、そこに注目しました。納豆の日本市場での需要増を見て、韓国での可能性も大きいと考え、韓国人の口に合う納豆作りの研究を始めました」と説明する。

確かに、韓国の納豆は日本の納豆と少し違う。日本の納豆よりも食感が軟らかく、においがそれほどしないのが特徴だ。日本に比べて豆の大きさは比較的小粒で、糸の引き具合は同じ程度か。ちなみに米国『ヘルス』誌が選定した他の5大食品はというと、日本の納豆のほか、韓国のキムチ、インドのレンズ豆、ギリシャのヨーグルト、スペインのオリーブ油である。

同社が納豆のにおいを減らすために採用したのが、「氷温熟成」方式。温度をセ氏マイナス1度から1度の間で保ち、夏には24時間、冬には48時間発酵させる手法だ。この方法で2005年に、においがあまり気にならない韓国初の「有機農納豆」を発売した。

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