三菱ケミカルのお手本は「スリーエム」だった 日本最大の化学会社トップが語る成長戦略
自力で成長事業を作り出す
ーーあらためて、化学系3社の合併に踏み切った意図を聞かせて下さい。
持ち株会社がグリップを効かせて、(三菱化学の伝統的な)石油化学部門の汎用市況品を中心に構造改革を進めてきた。複数の赤字製品から撤退し、大きな損失を出して全体の足を引っ張るような事業はなくなった。ようやく業績に安定感も出てきた。しかし、次に成長と高収益性を目指そうとした時に、従来の体制では限界がある。
世界経済が停滞する中、私たちは自力で成長事業を作り出していく必要がある。先進国を中心に、お客さんのニーズもより高度なものになっている。今までのように3社がバラバラに戦っていてはダメだ。1つの会社になって力を結集して競争に勝ち抜き、高い成長性と収益性の両方を手に入れる。
ーー従来の体制では、特にどういった点に限界を感じていたのですか。
化学、樹脂、レイヨンの3社は、いずれも非常に深い技術を有する会社だった。しかし、グループとして、それを最大限に有効に活用できていたとは言い難い。各社の技術が有機的に結びついて横に発展するということができていなかった。
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