小池都知事「満員電車ゼロ」戦略に足りない点 消えた「2階建て車両」、結局は時差通勤頼み?
小池百合子・東京都知事が、選挙公約に挙げた「満員電車ゼロ」の実現に動きだした。4月28日、都内で「快適通勤プロモーション協議会」を旗揚げしたのだ。
会の冒頭、あいさつに立った小池都知事が、自身の満員電車体験を明かした。「学生時代、満員電車に乗って学校に通っていた。乗り換えるべき駅で『降ります』と声を出したが、あまりの混雑に降りることができず、次の駅まで連れていかれたことがあった」。
満員電車に乗らずに済む生活を実現するために選んだ道が中東への留学。つまり、「私の人生設計において、満員電車は1つのファクターになっている」と、小池都知事は言う。満員電車がなくなり、通勤が快適になれば、「生産性が上がり、家族とともに楽しい生活ができる」(小池都知事)。
最初の方策は「需要調整」
満員電車ゼロの実現に向け、選挙時には「時差通勤」と「2階建て通勤電車の導入」の2つの方策が挙げられていた。満員電車が生じる理由を、利用者の増加という需要サイドと、利用者増に見合う運行本数が確保できないという供給サイドの2つに分解し、需要と供給の両面を改善することで混雑を緩和しようというものだ。
今回の協議会では時差通勤という需要側の調整から手をつけた。つまり、混雑ピーク時間帯を避け、朝早く、あるいは朝少し遅めに出勤することで通勤を快適にしようというものだ。7月11~25日の2週間にわたって実施する。
また、時差通勤だけでなく、インターネットを活用し、在宅勤務など時間や場所の制約がない柔軟な勤務形態であるテレワークも普及させていきたいという。
2012年のロンドンオリンピック時、混雑によってロンドン市内の移動に支障が生じるとの予測から、市内の企業の約8割がテレワークを導入した。東京都もオリンピックを契機にテレワークの普及を狙っている。
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