池上彰+佐藤優「最強の歴史学び直し」勉強法 「歴史小説、漫画、教科書、学参」スゴい活用法

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佐藤:あと、ビジネスパーソンの「学び直し」でよく薦めているのは、オンライン学習の「スタディサプリ」です。

【歴史を学び直すコツ3】「スタディサプリ」を活用する

佐藤:「スタディサプリ」は、リクルートの受験生向けオンライン予備校で、以前は「受験サプリ」という名称でした。会員登録して月額980円+税を払うと、「日本史」「世界史」だけでなく高校講座・大学受験講座の全科目の講義がパソコンやスマホですべて見放題になるのです。

佐藤 優(さとう まさる)/作家・元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『読書の技法』(東洋経済新報社)など多数の著書がある(撮影:今井康一)

池上:それは便利なシステムですね。

佐藤:私もかなり重宝して活用していて、多いときは1日2時間、短くても30分は「スタディサプリ」を見ています。

池上:2時間も見ているのですか。

佐藤:「知識の欠損部分を埋めないといけない」と読者に常々言っていますからね。歴史の勉強のいいところは、数学や物理といった積み重ねが必要な理系科目とは違って、学生時代にサボってしまった人でも、比較的アプローチが容易なことです。

池上:歴史は現在につながっているので、まったくの知識ゼロからスタートというわけではないですしね。

佐藤:はい。そこで「スタディサプリ」を活用すれば、比較的短期間で通史を身に付けることができるというわけです。

さらに勉強したい人は「受験参考書」を

【歴史の学び直すコツ4】「受験参考書」を活用する

佐藤:あと、学習参考書を上手に使うのも「学び直し」にはいいですね。教科書と違って、「読み物」としてもよくできているものが多い。私は受験のときには研文書院の『大学への世界史の要点』を、外務省に入ってからは同じシリーズの『大学への日本史』を熟読しました。

池上:受験参考書の名著ですね。長らく絶版でしたが、『大学への日本史』は佐藤さんの企画・編集・解説で『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』の2冊に分けてリニューアル復刊されました。

佐藤:手前みそになるんですが、この本は記述が細かい割に非常に優れているんです。

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