日本が「屋内全面禁煙」を目指すべき根拠 WHOが塩崎厚生労働相に積極的な働きかけ
たばこの受動喫煙対策をめぐり、世界保健機構(WHO)のアサモア・バー事務局次長らが4月7日、厚生労働省で塩崎恭久大臣と面会した。バー次長らは塩崎氏にたばこの影響に関する調査報告書や手紙を渡し、東京オリンピック・オリンピックに向けて屋内禁煙の徹底を求めた。
面談では、バー事務局次長が塩崎大臣に公共の場での禁煙を求める手紙を手渡し、「五輪を機会にさらに強いタバコ対策を願っている。日本にはリーダーシップをとってほしい」と訴えた。
塩崎氏は面会後、3月に公表した受動喫煙対策の厚労省原案について、「今国会の法案提出に向けて努力しないといけない。1度も正式に説明していないので、厚生労働部会で私たちの考えを聞いてもらいたい」と、議論の場を早期に設けたい考えを示した。
五輪に向けて、「妊娠している女性や子ども、海外から来る人らを始め、8割いる非喫煙者に対して、意図しない受動喫煙にあわないようにしていきたい」と述べた。
WHO部長「五輪は国レベルでアクションをとるきっかけ」
面会が終わると、WHOのダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長が記者会見を開いた。日本や世界のたばこの禁煙政策の現状などについて説明し、屋内の全面禁煙の重要性を訴えた。
WHOによると、2014年時点で、世界49カ国が、屋内の公共の場所が全面禁煙となっている。一方日本は、法律で喫煙を禁じている屋内の公共の場がなく、受動喫煙政策の普及状況を示したWHOの評価基準で、4段階中で最低ランクに位置付けられている。こうした日本の現状を、ダグラス部長は「時代遅れだ」と指摘した。