中国経済はハードランディングを避けられるか

景気・経済観測(中国)

中国経済の先行き不透明感が高まっている。今年に入り景気が勢いを欠くことを示す指標発表が相次いでいる。実質GDP(国内総生産)成長率をみても、2012年10~12月期の前年比プラス7.9%をピークに減速が続いており、2013年4~6月期は同プラス7.5%に低下している。

経済が弱含む中、6月には中国の銀行間市場で流動性が逼迫し、上海銀行間取引金利(SHIBOR)翌日物が終値で13.444%と過去最高水準にまで上昇した(6月20日)。一部の銀行は資金不足に陥り、中国人民銀行(中央銀行)が流動性の供給支援を行うに至った(本欄前号「『銭荒』と、高めの金利を容認する政府」)。それが中国経済の腰折れ懸念を一段と強めている。

中国経済に調整圧力がかかっているのは確かである。投資依存型の成長を続けることが難しくなってきているためだ。中国のGDPに占める総固定資本形成のシェアは長らく拡大傾向をたどってきたが、近年、その傾向がさらに強まっている。世界金融危機による景気の腰折れを避けるため、中国政府が2008年11月から4兆元の大規模景気対策を実施したからである。

実質金利を低く誘導し続けた結果、過剰投資に

さらに、実質金利を低めに誘導し続けたことも、投資の高い伸びの原因となった。その結果、GDPに占める総固定資本形成のシェアは、2008年以来5年連続で過去最高値を更新し、2012年には46.1%にまで達している。日本の戦後最高値(1973年で36.4%)を大きく上回る水準だ。

その過程で、収益性の低いインフラや不動産開発事業が少なからず生まれた。地元経済活性化などのために、限られた財政収入しか持たぬ地方政府が「融資平台」と呼ばれる投資会社を設立して資金調達し、これらの投資を盛んに行ったためである。

また、低金利を背景に住宅取引、住宅投資が活発化した。その行き過ぎから、浙江省温州市など一部都市では住宅在庫が積み上がり、値崩れも起こっている。旺盛なインフラ投資や不動産投資で生み出された商機を掌中に収めるために、鉄鋼業なども設備投資を活発に行い、生産能力の過剰感も増した。

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