6度の延期を経て開業、台湾「空港鉄道」の実力 新幹線に次ぐ日本企業連合の大プロジェクト
2017年3月2日、台湾の空の玄関である桃園国際空港と台北駅を直結する空港アクセス鉄道「桃園機場捷運(桃園MRT)」が、着工から10年の歳月をかけて正式に開業した。
桃園国際空港は台北郊外の桃園県に位置し、1979年の開港以来、台北市内との公共交通は高速道路経由で60~90分前後かかるバスに頼っていた。2007年1月には台湾高速鉄道(台湾新幹線)が開業し、空港と高速鉄道の桃園駅を結ぶシャトルバスとの乗り継ぎで台北へのアクセスが可能になったものの、乗り継ぎや列車本数、運賃などの面から、空港と市内を結ぶ交通手段としての利便性はいま一つであった。
台北駅―空港を35分で直結
今回開業した桃園MRTは、台北駅から桃園国際空港を経由して環北駅までの51.03キロメートルを結ぶ路線。空港―台北間は快速タイプの「直達車」で約35分、各駅停車の「普通車」でも45分で直結され、長らく課題だった台北の空港アクセスは大きく向上することになった。
正式開業日の3月2日には台北駅の地下コンコースで開業式典が行われ、陳建仁副総統、賀陳旦交通部長をはじめ、柯文哲台北市長、鄭文燦桃園市長ら多数の要人も参列し、アトラクションもステージで繰り広げられた。台北駅(地下)などのデザインを担当した、槇総合計画事務所の槇文彦代表も祝辞を述べた。
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