不条理な人事を乗り越える人の「心の習慣」

周辺的な位置にいる人こそ強くなれる

左遷は、発想を変えると、「新天地」にも「新しい体験ができる機会」にもなる(写真:polkadot / PIXTA)
出世の「登山口」はひとつではない。たたき上げの人、転職してくる人、アルバイトや契約社員から正社員に登用された人。その中の誰が出世コースを進むかは、知る由もない。
たとえ同じ登山口から登り始めたとしても、たどる道のりは人それぞれ。エリートコースまっしぐらもいれば、ずいぶんと回り道をする人もいる。隣の山まで行ってから戻ってくる人、実は隣の山のほうが元いた山より高かったという人もいる。
「そこに共通点があるとすれば、皆、その場その場で最善を尽くしたということ」だと、『決定版 出世のすすめ』著者の佐々木常夫氏は言う。さまざまな思いが交錯するこの季節、気持ちの整理ひとつで、未来は変わる。


――また新年度が巡ってきました。人事発令に肩を落とした人も多いはずです。

そうですね。会社で働いていれば、肩を落とすときも一度ならずあるでしょう。しかし会社とは、つねに不条理を抱えているものです。その不条理に飲み込まれてしまったときには、上手に気持ちを切り替えて、少しでも早く前を見ることが本当に大切です。

転機がどのように訪れるのか。人生をシフトさせるきっかけというのは人によってさまざまです。そして、「あれがひとつの転機だったのだな」ということは、後になってようやくわかるものです。

かくいう私にも「なんで、俺が?」と違和感を持った経験が、一度ならずありました。最初は32歳のときでした。経営破綻した繊維商社の経営再建のために、東レから14人が派遣されることになり、その出向メンバーの1人に私の名があったのです。出向メンバーの中では私が一番の若手でした。

当時、この14人のことは、「本社から選りすぐりの各部門のエース社員が経営再建のために乗り込む」といったニュアンスで社内に伝えられていました。しかし、よく考えれば、本物のエースを本社が手放すはずはありません。実際、その出向先からさらに別の会社に移された人もいました。

左遷を左遷にするのは、自分

――「なんで、俺が?」と思っても、腐らなかったのですか?

まあ、一番の若手でしたので、「いずれ戻れるだろう」とそれほど悲壮感を持つことはなかったんです。早々に気持ちを切り替えて、「左遷を左遷にするのは、己」と思うことにしました。そして「この関連商社を再建することこそ、わがミッション」と覚悟を決めて、それこそ身を粉にして働きました。

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