「名刺交換」意外とわかってない基本中の基本 基本3動作にひと工夫できれば好印象だ

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では次に、印象に残る名刺交換をするための「ひと工夫」をお伝えします。会社から支給される名刺は、会社名、部署、名前、電話番号、メールアドレスなどが書かれた、ごく一般的な名刺です。お客さまも、○○会社の○○さんを把握し、メールや電話するときに見返す程度です。ほとんど取引がなければ、そのまま見返すことはないかもしれません。

みなさんは、入社1年目、もしくは経験の浅い新人営業マンです。そこで、どうやってお客さまに「自分の顔を覚えてもらうか」が、最も大切な最初の仕事になります。そのためには、他の人がやらないことを、1つだけでいいので実践してみましょう。これを、私は、営業研修やコンサル先で、営業マンに指導するとき、「ひと言追加の法則」と呼んでいます。ここでは、3つの工夫する方法をお伝えしましょう。

名字が珍しい人はチャンス

1つ目の工夫です。まず、自分の名字が珍しい人、変わっている人は、かなりのチャンスです。必ず、ひと言付け加えて下さい。例えば、「○○会社の野崎と申します。よろしくお願いします」というのは、一般的な名刺交換で交わされる言葉です。これが、「○○会社の野嵜(のざき)と申します。よろしくお願いします」だったらどうでしょう。このまま、普通に名刺交換しただけでは、もったいないです。例えば、「野崎という名字は、全国に約70000人いるそうですが、これが「嵜」の字になると、全国に約700人しかいないといわれています」など。こうした自分の名字の語源や由来、出身者が多い場所などは、スマホで簡単に検索できます。是非実施してみてください。

先日、営業研修先の受講生で「柘植(つげ)さん」という方がいました。実際に、営業の商談を想定したロールプレイングでは、やはり、柘植(つげ)という名前がめずらしいので、雑談の話題にされていました。これを名刺交換のときに、ひと言付け加えるのです。「○○会社の柘植と申します。この漢字で、“つげ”と呼びます。名字が変わっていますが、よろしくお願いします」というだけで、ずいぶんと相手に残る印象は変わるものです。ちなみに、柘植さんは、全国に13400人いるそうです。

残念ながら一般的な、佐藤、加藤、鈴木などの名字では、効果が薄いです。ただ、自分の名字が全国何位で、何人くらいいるのかは知っておいた方が、話題には困らないでしょう。要は、名刺という自分の情報が名前以外にないもので挨拶をする際に、いかに自分という人間や顔などを覚えてもらうかが勝負なのです。

2つ目の工夫は、名刺の裏に、手書きで自分の仕事に対する姿勢などを書いておくのです。私が営業マンだった頃、同業者と名刺交換をした時に、名刺の裏面を見てかなり驚かされました。そこには、「いつでも、どこからでも飛んできます!」と書いてあったのです。これには、「本気でお客さまのことを考えているのだ!」と感心させられました。

名刺の裏は、その場で見ない方もいますし、名刺フォルダーに入れた後では、裏面は隠れてしまします。ですが、名刺の裏を見て頂いたお客さまでしたら、何も書いていない営業マンより、必ず印象に残ります。これも実は効果的な名刺交換のテクニックなのです。

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