ドイツの公務員は「人事異動」がほとんどない

日本社会は公務員の異動で「損」をしている

ドイツの地方自治体において、公務員は基本的に転勤をしない。写真は14世紀に建築が始まったウルム市(人口12万人)の市庁舎(筆者撮影)

桜が咲き乱れる季節がやってきた。日本の公務員の中には、年度始めの異動で新しい職場に移り、部署が変わった人も多いだろう。

ドイツの公務員には、異動がない

一方、私が現在住んでいるドイツでは、公務員の異動が基本的にない。部署内で昇進することはあっても人事異動はかなりまれだ。

しかも、その部署に関連する教育を受けている。一般的に、ドイツでは受けた教育の内容と職業が密接に連関しているが、それが行政マンにもあてはまるわけだ。取材中に知り合った行政マンに、学生時代何を専攻していたかを聞いてみると、統計局なら社会学、環境局なら物理学、文化青少年局なら教育学と言った具合。なかには、修士号や博士号を持っている人もいる。

異動をせずに自らの専門性に基づく仕事に従事する公務員の人事システムは、各自治体の独立性の高さを維持できる大きな要因になっている。ドイツは連邦制の国で、いわゆる地方分権型の国家である。そのせいか、地方自治体の独立性が高い。ヒットラーの第三帝国時代をのぞくと、ドイツという国は小国の集まりとして成り立ってきた歴史がある。

各自治体は歴史のある紋章を持っている。写真はメッセ会場における紋章作成サービス業者の展示(筆者撮影)

独立性が高いとは、自分たちの街のことを自分たちで決めていくということである。もちろんドイツでも、州や連邦と各地方自治体が連携している部分はある。ただ日本のように、国の官僚が地方へ出向するようなケースはない。「もし、そんなことをするならば、法律を変えねばならない」とドイツ自治体の人事関係者からいわれたことがある。

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