てるみくらぶ「大迷惑な破産」が示唆する教訓

ダメなら適切に廃業するのも経営者の務めだ

破産手続き開始を受けて記者会見で質問に答える「てるみくらぶ」の山田千賀子社長(3月27日、国土交通省)(写真:読売新聞/アフロ)

格安の海外旅行業者である「てるみくらぶ」が3月27日、東京地裁に破産を申し立て、破産手続き開始決定を受けた。負債総額151億円は、旅行業ではリーマンショック後で最大と言われている。

そのうち約100億円が、一般旅行者約3万6000人のもので、春休みの旅行シーズンに現地でホテルがキャンセルとなったり、帰国できない可能性があったりと、日本中に大迷惑をかける破産劇となっている。また、新卒内定者が50人もいたとのことで、新卒一括採用が通例となっている日本において、内定者の今後の人生を大きく変えてしまったことは道義的にも大きな責任が残るだろう。

実は私の運営する投資ファンドにも数週間前、「てるみくらぶに投資しないか」という打診があり、事前に軽く状況を聞いていた。弊社としては投資検討にも至らなかったため、以下は、報道に出ている情報のみで記している。

今回の倒産劇を受けて、改めて、民間信用調査会社が調べた、てるみくらぶのデータを見てみると、2013年9月期までは「売上高」と「利益」が表記されていたが、2014年以降は「利益」の部分は表記されておらず、粉飾決算をしながら金融機関から融資を引き揚げられないようにしていたのではないかと推察される 。

てるみくらぶは、なぜ追いこまれたのか

てるみくらぶのビジネスモデルは、そもそも航空会社や大手旅行代理店などが販売しきれない航空券などを安く買い取って、自社の旅行パッケージに作り込み、それをインターネットで迅速に集客して販売することが強みになっていたようである。

ところが、旅行関係のさまざまなインターネットビジネスの台頭で、航空便の空席が出てもネットを介してすぐに送客できる仕組みが社会全体に浸透したことによって、てるみくらぶの強みは目立たなくなってしまった。旅行業界も規制緩和の流れで競争原理が働き、消費者は非常に廉価な航空券を購入することができる時代となった。

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