豊洲問題で「環状2号線」五輪前開通がピンチ 「BRT」運行の五輪主要ルートが建設棚上げ
東京都中央卸売市場の築地市場を豊洲に移転する計画が混迷の度を深めている。先週末からの三連休には石原慎太郎元都知事などを呼んで都議会百条委員会が開かれたが、目立った確証は得られなかった。さらに同じ週末、第5回となる豊洲市場の土壌汚染対策等に関する専門家会議が開催され、最新の地下水モニタリング調査の結果、最大で基準値100倍のベンゼンが検出されたことが報告された。
こうした状況を受けて小池百合子東京都知事は、消費者や市場関係者の信頼を第一に考え、総合的判断していくと、結論については明言しなかった。知事は以前、7月に行われる都議会議員選挙でこの問題が争点になるという見解も示している。
しかし市場を移転するか否かの決断は待ったなしの状況にある。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックにも関係があるからだ。
市場移転後の築地を貫く「環2」
築地市場の敷地には、環状2号線という道路が通ることになっている。環状2号線の西半分は外堀通りとして以前から使われている。これの南側を延長することで、選手村が設営される晴海地区や、複数の競技場が作られる有明地区を結ぶものだ。
このうち2014年には虎ノ門から新橋までが開通している。晴海と有明を結ぶ部分も完成し、先月から選手村の工事用車両に限っての通行が始まった。
残る新橋-晴海間は、築地市場敷地内を通る計画だ。まず敷地内の道路を活用することで地上に暫定開通させつつ、並行してトンネルを掘り、こちらを正式道路とする。予定では昨年末に暫定道路が開通し、2020年にトンネルが供用開始というスケジュールだった。
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