「朝」の関西大手私鉄、一番速い列車はどれだ 関東編に続き特別料金不要の列車を比較

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次は大阪・難波から関西国際空港や和歌山、高野山方面へと路線を延ばす南海電鉄だ。まずは和歌山港駅から大阪湾沿いに難波まで北上する南海本線。今回はすべての優等列車が停まる駅を起点とするという関東編からのルールを引き継ぎ、りんくうタウンや関西空港駅への分岐点となる途中駅の泉佐野を始点とし、泉佐野─難波間の34キロメートルで検証した。最速の種別である急行が所要時間35分で表定速度58.3キロ、区間急行も所要時間37分・表定速度55.1キロと速い。

ところで、南海といえば鉄道マニアでなくとも一度は乗ってみたいスタイリッシュな空港特急「ラピート」が有名だ。しかし所要時間は速いもので33分と急行とあまり変わらず、7時02分発の列車に至っては37分と急行より遅い。

もうひとつの主要路線である高野線は、河内長野─難波間の27.3キロメートルで検証。朝の時間帯で最速の種別は急行で、所要時間29分・表定速度56.5キロ。次いで速い区間急行も所要時間35分で表定速度46.8キロとなかなかのスピードだ。この時間帯にはないものの、高野線にはさらに上位の快速急行があり、11時台から14時台まで1時間に1本ずつ運行している。所要時間はおおむね26~27分と速い。

京阪は豪華さ、阪神は利便性で勝負

次は「特別料金不要の日本一豪華な車両」ともいわれるダブルデッカー(2階建て車両)の特急列車が走っていることで有名な京阪電鉄を見てみよう。京阪本線・鴨東線(出町柳─淀屋橋・51.6キロメートル)は、その特急が所要時間58分、表定速度53.3キロで走破する。

これに次ぐ快速急行は所要時間64分・表定速度48.4キロ、その次に速い通勤快急も65分・47.6キロで、特急以外は表定速度40キロ台だ。本線の京橋から分岐する中之島線への列車(出町柳─中之島間・53.3キロメートル)は、通勤快急が所要時間67分・表定速度47.7キロだ。

お次は阪神。神戸元町から大阪梅田まで東西ほぼ一直線に繋ぐ阪神本線は距離32.1キロメートル。阪神と阪急神戸線、東海道本線の3本がほぼ並行して走っているということが、他地域の人間にはにわかに信じがたいのだが、それはともかく最速の「直通特急」が6時台4本、7時台に5本、8時台も5本と、関西主要2大都市を繋ぐにふさわしい利便性の高さは素晴らしい。所要時間も36分、表定速度53.5キロと速い。

近鉄奈良線と直通する阪神なんば線(尼崎─大阪難波・10.1キロメートル)は、快速急行が所要時間14分、表定速度43.3キロで走り抜ける。

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