P&Gが他社に無償で「成功事例」を教えるワケ

成果を追及したら、女性管理職3割になった

なぜP&Gはダイバーシティ推進の取り組みを、無償で他社にシェアするのか?
2016年4月に女性活躍推進法が施行されてから、はや1年。女性管理職を増やすための試みが増えているが、一方で「なぜ女性を優遇するのか」「女性が増えると本当に経営メリットがあるのか」といった疑問の声も後を絶たない。
こうした状況に一石を投じるのがP&Gジャパンだ。米国のせっけんメーカーとして始まったP&Gが日本に進出して40年。ダイバーシティ推進の取り組みは25年になる。その発想の深みは「外資だから」「消費財メーカーだから」だけでは説明がつかない。昨年からはダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについて、無償で研修やセミナーの形で提供し、話題となっている。
女性活躍に詳しいジャーナリストの治部れんげ氏が、同社ヒューマンリソーシス アソシエイトディレクター(部長級)の臼田美樹氏へのインタビューから、日本企業が学べるものを探った。

異なる見方をする人が多いほうが、仕事の成果も上がる

――日本企業においては、見た目にわかりやすい「多様性」として性別が強調されることが多く、他の点の「違い」にスポットが当たりにくいように思います。そのため、女性活躍をダイバーシティ推進と言い換えても、社内では「結局、女性のことばかり言っている」と思われがちです。

確かに男女は目に見えやすい違いですが、それはひとつの要素です。組織内にはさまざまな多様性、つまり違いがあります。たとえば、若い従業員が増えると「多様性の尊重」が重要になってきます。

数年前まで私自身は、会議の時にノートPCやスマホを持ち込むことに抵抗感がありました。何となく、話に集中していない人のような感じがしたからです。でも、今はそんな風には思いません。若手社員が会議中にスマホを取り出しても、決して遊んでいるわけではなく、話の流れで、必要なことを確認していたり、スマホでホワイトボードの話し合い内容を写真に撮っていたりするからです。メモを取るより数倍速く効率がいいのです。 

自分と違う文化や常識を持っている人と接すると、最初は驚くかもしれませんが、段々と「異なる見方をする人が多いほうが、仕事の成果も上がる」と気づいてくるのです。

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