幸か不幸か、65歳定年時代がやってきた!

企業の課題は現役世代との賃金バランス

これまで一般的な雇用継続制度の下では8割の人は賃金が減少していた(写真:EKAKI/PIXTA)

生命保険各社の間で定年を引き上げる動きが少しずつ広がっている。中堅生保の太陽生命保険は今年4月以降、従来60歳だった定年を65歳に延長し、65歳の定年退職後も最長70歳まで嘱託社員として働くことができる継続雇用制度を設ける。大手生保の明治安田生命保険も2019年4月から60歳定年を65歳へ引き上げるべく、労働組合との話し合いに入った。

ほかの大手生保は「どういうあり方がよいのか、引き続き検討していく」(日本生命保険)、「人員構成を考えつつ、選択肢として検討していく」(第一生命保険)などとしている。大学卒業後40年を超えても職業人として暮らす時代が、本格的に到来しようとしている。

太陽生命、明治安田生命とも定年引き上げの対象は基本的に全職員。太陽生命では約2200人、明治安田生命では約9000人と規模が大きい。

増える賃金総額、現役世代とのバランスが課題

太陽生命の田村泰朗取締役は、定年引き上げの狙いについて「昔と比べて今の60歳はまだまだ元気。定年後の嘱託制度は当社にもあるが、給与水準がガクンと落ちる。定年後に別の仕事を探すとなると、一からのスタートで十分力を発揮できないかもしれないが、当社で働き続けてもらえれば、これまでどおりに力を発揮でき、後輩に知識、能力を伝承できる」と話す。

課題は人件費のコントロールや年金制度の設計だった。同社の場合、年齢とともに上昇する賃金カーブは役職定年である57歳でいったん落ち、60歳以降は1年ごとの嘱託契約となり、賃金水準も大きく下がっていた。しかし、今年4月の定年引き上げ後は、機械的に役職定年を適用することはやめて、60歳を過ぎても給与水準を変えない。退職金制度や福利厚生制度にも変更が生じない。

1人当たりの賃金総額は定年引き上げに伴って「そうとう多くなるが、トータルの人数をコントロールしていく」(田村氏)ことで対応する。同規模の保険会社と比べても総合職の人数が少ないので、コントロールは十分可能だという。

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