PDCAが「掛け声」だけで終わる根本的理由 マトリクスで、いっきに実行しやすくなる

拡大
縮小

私は自分の部署の若手のメンバーに、よく

「君の意志はどこにあるの?」「あなたはどうしたいのか?」

と口を酸っぱくして言っています。

たとえ結果が失敗したとしても、狙いがあったのなら、次から、そのズレを修正していけばいいので、次につながります。しかし、そこに当初の意志(計画)がなければ、何を改善すればいいかがわかりません。

プロセスごとに結果を検証したい場合

「計画に対してどうだったか」だけでなく「プロセスごとに結果を検証したい」という場合は、別のマトリクスを使うほうが便利です。こちらは横軸にP、D、C、Aを取り、縦軸に作業分類を書き出します。

『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

上の図は、私が本を出版した際に、編集者と会話をしているときに書いたマトリクスです。「今回の本の振り返りをするのに、みんなからブレスト形式で意見をもらおうと思っているのですが、どうしたら活発な議論になりますか?」と相談されたので、このマトリクスで整理することを提案しました。

このようにマトリクスで整理して意見を出し合えば、参加したメンバーもポイントを絞って意見を出せて、短時間で有意義なブレストをすることができます。もし、マトリクスを使わないと、各メンバーが自分の考えるレベルで、「思いつき」で意見を出すだけで終わってしまいます。

木部 智之 デロイトトーマツコンサルティング合同会社ディレクター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きべ・ともゆき / Tomoyuki Kibe

横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了後、2002年日本IBM入社。数々の炎上プロジェクトの火を消し、エグゼクティブ・プロジェクト・マネージャーに。2018年よりパナソニックのソリューションビジネスの立ち上げに従事し、2020年最年少でパナソニックシステムソリューションズジャパン執行役員に就任。パナソニックコネクトカンパニー役員を経て、2022年9月より現職。人材育成にも力を注ぎ、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを実施。主な著書に『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』(KADOKAWA)、『入社1年目のビジネススキル大全 』(三笠書房)など。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT