成長ベンチャーが日本経済を発展させていく 第3回ベンチャー大賞を受賞したのは?

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審査委員会特別賞:ビズリーチ<人材サービス革新賞>

ビズリーチはテクノロジーで「人材採用から人材活用」の変革を目指す企業。創業サービス「ビズリーチ」は80万人の人材データベースから、適する人材を検索し、直接メールでアプローチできる日本初の本格的な「ダイレクトリクルーティング」ツール。現在では大企業だけでなく、地方企業や中小・ベンチャー企業にまで広く浸透しています。

採用管理、勤怠管理、人材活用をサポートするクラウドサービス「HRMOS」では、エントリーシートや勤怠履歴、評価レポートなどをAIが分析し、採用・育成・評価などで活用可能になります。

南壮一郎社長は、米国の大学を卒業後、モルガン・スタンレー証券から、東北楽天イーグルスの立ち上げを経て、同社を創業。「海外での経験から日本がもっと生産性の高い働き方ができるのではないかと思いました。人事(HR)とテクノロジーの融合したHRテックで、日本の働き方を変えていきたいと思います。HRテック事業のさらなる成長や新規事業の開発をより一層推進し、私たちの時代に適した、新しい働き方を創造してまいります」と未来を語ります。

有力ベンチャーの創出で日本経済が変わる

首相官邸での表彰式の後に都内のホテルで開催された受賞セレモニー。世耕経済産業大臣は次のようにスピーチしています。

「いろいろなベンチャーで成功されている方々、アメリカで大きなベンチャーを立ち上げた方々から話を聞くと、やはり、『世のため人のため、自分の起業によって社会を変える』という信念がないと、本当の意味でのベンチャーの成功はない。今日受賞された皆さんは、長年にわたってそのような信念を持ってこられた。皆さんの後を追いかける人が多く出てきて、日本が『ベンチャー大国』として、世界の中心で輝く国となることを期待します」

審査委員会の委員長である早稲田大学名誉教授の松田修一氏は、「今回、表彰を受けた企業は、いずれも社会インパクトのある企業ですが、このような企業が、今、どんどん出てきています。受賞しなかった企業も何度もトライしてもらいたい。新しい企業群の創出により、今後、日本経済は大きく変わってゆきます」と講評しています。

今年も、すばらしい企業が選ばれた日本ベンチャー大賞。受賞企業のご活躍とともに、この表彰を通じて、ベンチャーの認知度の向上と、挑戦することを是とする社会意識の醸成がさらに進むことを期待しています。

石井 芳明 経済産業省 新規事業調整官

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いしい よしあき / Yoshiaki Ishii

経済産業省 経済産業政策局 新規産業室 新規事業調整官。1965年生まれ。1987年、岡山大学法学部法学科卒業。1996年、カリフォルニア大学バークレー校 留学(公共政策 単位履修生)。2000年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科卒業(国際経営学修士)。2012年、早稲田大学大学院商学研究科卒業(商学博士)。1987年、通商産業省(現・経済産業省)入省。中小企業・ベンチャー企業政策、産業技術政策、地域振興政策等に従事。1997年、同省工業技術院国際研究協力課、2000年、中小企業庁経営支援課、2003年、経済産業政策局産業組織課、2006年、中小企業基盤整備機構資金支援課、2007年、同ファンド企画課、2008年、大田区産業経済部産業振興課課長、2011年、地域経済産業グループ地域経済産業政策課を経て、2012年から現職。

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