トランプの政策はレーガノミクスと異なる

米国の政策転換で最も恩恵を受けるのは日本

トランプ大統領の政策はレーガン大統領時と似ていると言われるが、それは違う。ではどの時代の政権と似ているのだろうか(写真:Fujifotos/アフロ)

金融市場の方向感がなかなか定まらない。2016年末に「トランプ相場」で大幅な株高・円安が進んだが、2017年に入りトランプ米国大統領が打ち出す政策(トランポノミクス)に対する思惑が交錯していることが原因の一つだ。米国株がじりじりと最高値を更新している一方で、米国債券市場では金利上昇が止まり、為替市場ではドル高が一服してやや円高地合いで推移している。

市場の「仏大統領選ルペン勝利懸念」は長続きしない

トランプ政権に対する「期待度」が、株式市場と債券・為替市場の値動きの違いの一つだろう。株式市場は、トランポノミクス実現を期待しており、企業業績の一段の改善を織り込みつつある。一方、債券・為替市場では、閣僚人事の遅れなどから、不安定なトランプ政権に対する疑念を感じているとみられる。また米国以外に目を移すと、フランス大統領選挙に対する疑念などが米国やドイツなど安全国債への買いを促し、そして米金利低下とドル安要因になっている。

筆者は、2017年は米国政権交代による大規模な政策転換が、リスク資産の動向を決すると考えている。フランスやイタリアなど欧州政治に関する思惑は、一時的な相場変動要因に過ぎないだろう。最近のフランス大統領選でのルペン氏勝利への懸念による、米金利低下や円高は長期化しないだろうし、底堅い米欧株式市場の値動きの方が妥当だと筆者は考える。

「拡張的な財政政策」というトランポノミクスの核心部分の政策が実現し、成長加速が実現するかどうかが重要だが、年初からの報道を見る限り筆者の想定はほとんど変わりない。経済閣僚の就任の遅れや保護主義的な政策を打ち出していることなどが、トランプ政権に対して懐疑的な市場参加者の心理を慎重にさせているだろう。ただ、重要な点は、減税や政府支出増加などの景気刺激的な財政政策が実現するかどうかであり、この点については年初から新たな動きはほとんどない。

また、トランプ大統領は日本を含め他国の通貨安政策を批判していたが、各首脳と外交を始動させると同時に、攻撃的な主張もトーンダウンしつつあるようにみえる。また、世界経済にとって最も懸念されるのは米中間の政治的緊張が高まることだが、すでにトランプ大統領は「一つの中国」の外交方針を事実上尊重しており、トランプ政権が現実路線に沿った政策運営を行う一つの例と言える。

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