「トンデモ」な健康情報には見分け方がある 出てきたら「怪しい」と疑うべき言葉はこれだ
健康情報の真偽をどう見破ればよいか、これは難しい問題です。本当のところをきちんと確認するとなれば、専門家が元になる論文を読み込み、過去データと比較するなどしなければいけません。一般市民にとってこれは、手に余る作業です。
また、単純に「この言葉が入った商品・健康法はすべてニセモノ」と言えればいいのですが、そう簡単でもありません。たとえば、「酵素」とついた健康食品・ダイエット関連製品は数多く世に出ていますが、酵素というものは胃腸で分解されてしまうので、その効能を額面どおりに受け取るわけにはいきません。しかし、「酵素」とついたら全部疑うべきかといえばそんなことはなく、たとえば「酵素入りの洗剤」は、実際にタンパク質分解酵素の作用で汚れを落としており、いかがわしい商品などではありません。
この言葉が出てきたら疑うべき!
このような次第で、商品名やラベルを見ただけで「これは本物」「これはニセモノ」と判定を下すことは、なかなか難しいのです。とはいえ、「この言葉が出てきたら疑うべき」というようなキーワードはあります。いくつか、以下に列挙してみましょう。
○デトックス
「de」は英語の接頭語で「分離」を意味する接頭語、「tox」は毒を意味し、「体内に溜まった毒素や老廃物を排出する」ことを指しているようです。半身浴、岩盤浴、海藻などを食べる、断食、よもぎ蒸し、塩水浣腸、油うがい、リンパマッサージなど、ありとあらゆる方法が「デトックス効果あり」と主張し、ダイエット効果などをうたうケースもあるようです。
多くは、汗腺を通じて汗と一緒に毒素が排出されるとしていますが、汗腺にはそのように都合よく悪いものだけを排出する機能などありません。足の裏から毒素が出ると称した商品などは、完全なウソと断定できます。イギリスの国民保健サービスは、「デトックスという言葉には何の科学的根拠もなく、そのような製品を購入する必要はない」と、バッサリ斬って捨てています。
このデトックスという言葉は、化粧品やシャンプー、石鹸などの「合成化学成分」が皮膚から浸透、蓄積してしまうとする「経皮毒」と結びついて語られることもあります。これがインチキであることは、はっきりしています。トンデモはトンデモと結びつきやすいという一例です。
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