「影の銀行」規制、中国の債券暴落を招く危険

「今年前半に金融市場が不安定化」の声も

 1月26日、中国政府がシャドーバンキング(影の銀行)の取り締まりに乗り出しているが、この部門が縮小すれば銀行の重要な収入源が断たれて債券市場の流動性は細り、金融市場が不安定化する恐れもある。写真は人民元紙幣。北京で2011年3月撮影(2017年 ロイター/David Gray)

[上海 26日 ロイター] - 中国政府がシャドーバンキング(影の銀行)の取り締まりに乗り出しているが、この部門が縮小すれば銀行の重要な収入源が断たれて債券市場の流動性は細り、金融市場が不安定化する恐れもある。

UBSによると、中国の債務残高は国内総生産(GDP)の277%まで高まっている。政府は経済の不安定化につながる前に債務を減らすため、債務拡大の主なけん引役である影の銀行に照準を定めた。

影の銀行業務は、銀行の融資残高の5分の1を占めるまでに至っている。S&Pグローバル・レーティングスのクレジットアナリスト、リャオ・シャン氏は「政策としてシャドーバンキングを劇的に縮小させることは、銀行業界に意図せざるテールリスクを引き起こしかねず、誤算だと考えている」と話した。

懸念されているのは、当局が今月打ち出した「理財商品」に関する新規則だ。シャドーバンキングの最大要素である理財商品を初めて中国人民銀行(中央銀行)の監視下に置き、マクルプルーデンス評価や資本基準、融資の伸びの指針に算入することとした。

最新の公式データによると、理財商品の市場規模は昨年6月末時点で前年比42%増の26兆元(3兆8000億ドル)に達し、わずか2年で倍増している。

理財商品は通常、簿外取引であるため当局が把握しにくい。銀行同士で理財商品を売り買いする取引も増えているため、2008年の世界金融危機時のようにリスクを増幅させかねないという問題もある。

悪循環の懸念

上昇局面が3年続いていた中国の債券市場は、金融引き締め観測によって既に頭打ちになっている。そこに理財商品の規制が強化されたことで、市場の危機が誘発されかねないとの懸念が生じている。

ユーコム・インベストメントのグー・ウェイヨン最高投資責任者は「金融機関は理財商品を通じて多額の資金をクレジット商品に投資している」が、投資を支えるだけの資本を持っているとは限らないと指摘。「今年前半にも新たなスキャンダルが持ち上がる可能性は大いにある」と話した。

理財商品の規制が強化されて以来、これらの商品の売れ行きが鈍り、それと歩調を合わせて債券価格が下落、短期の金融商品で運用するミューチュアル・ファンドからは資金が流出している。

昨年6月時点で、理財商品の投資先の41%は債券、16%は短期金融商品だった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリスト、デービッド・キュイ氏は「中国の金融安定に関わる大きな問題は、非常に高い資産価格と極端に高いレバレッジだ。この組み合わせが問題なのは、資産価格の下落が即座に悪い循環につながり得ることだ」と述べ、債券価格と理財商品がスパイラル的に売られる恐れを指摘した。

(Samuel Shen記者 John Ruwitch記者)

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