オイシックスと大地が経営統合を選んだ理由 有機野菜の宅配は一見好調に見えるが・・

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

販売手法も違えば、主要顧客も異なる両社。だが、「違うからこそ食い合うことはない」(藤田社長)と強調する。実際、経営統合後もブランドの統合は行わず当面は両ブランドを併存させる。その中で可能な部分は徹底的に共通化していく構えだ。

大地を守る会の藤田社長。同社は1975年設立、有機野菜宅配のパイオニアだ(記者撮影)

たとえば、オイシックスは宅配を外部委託しているが、大地は自社便で配送を行っている。「オイシックスの配送を大地の自社配送に切り替えればコストを抑えられる」(藤田社長)。逆にオイシックスの持つ野菜の加工工場を大地が活用することも考えられる。それらに限らず、商品、開発など各分野で分科会を立ち上げ、統合に向けた話し合いを進めていく予定だ。

大地の筆頭株主であるローソンとの協業も広がる可能性が高い。現在、大地は一部のローソン店舗に野菜の卸売りを行っているが、統合後はオイシックスの商品がローソンの店頭に並ぶ可能性も出てくる。

アマゾンの野菜宅配参入は「歓迎」

野菜の宅配市場全体を見渡せば、小売業が手掛けるネットスーパーの台頭に加え、通販サイトのアマゾンも野菜宅配を強化している。こうした動きについて、高島社長は「われわれが勝負するのはプレミアムの分野であり、コモデティの中で争いはしない。アマゾンの参入は市場拡大につながり、むしろ歓迎」と語る。

オイシックスと大地、それぞれの会員数の拡大を図りつつ統合効果を迅速に出せるかどうか。これまで以上に消費者を有機野菜に振り向かせるきっかけになるかもしれない。
 

又吉 龍吾 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事