すかいらーく「再上場」の可能性は 谷社長が語る、“再成長”のカギは既存店復活

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同じグループなのに、ガストが金曜日にチラシを打てば、バーミヤンは木曜日に打つといったことをしていた。ガストがよいときはバーミヤンがだめ、バーミヤンがいいときはガストがだめ。そういうことを繰り返してきた。

こうした状況を改めるため、赤字を垂れ流した店舗を全て閉鎖。業態のポジショニングも見直し、カンパニー制から、購買や工場などの機能別に整理した。

社長就任後、2年ほどで不採算店の閉鎖は終えることができ、業績的にはV字回復を果たした。その間、野村プリンシパルファイナンスからは企業統治の在り方、投資の判断基準、組織の在り方、職務基準書などの整備といった、制度改革に力を貸りた。

その後、2011年10月に株主がベインキャピタルに移ったが、12年は改革の1年間だった。

マック、スタバ、ユニクロからヘッドハンティング

――2012年の改革ではどのような成果が挙がったのか。

ベインキャピタルは、コンサルタント会社であるベイン&カンパニーの関係者が始めた投資会社であることから、強力なコンサル機能を持っている。すかいらーくの社内には4~5人のコンサルタントが常駐しており、オペレーションやメニュー開発、人事など、内部に入り込んで、当社の分析をずっと続けてきた。

すかいらーくは創業以来、「出店して成長する」というビジネスモデルを踏襲してきた。しかし1997年に外食市場がピークを迎え、マーケットが縮小する局面で「成長する」とはどういうことなのか。そのためには何が必要なのかということがわかっていない。

出店を繰り返すだけなら従来の経営幹部でなんら問題ない。しかし今の状況で成長するためには、過去の成功体験を抱えた幹部だけでは難しい。2012年の前半にはベインのコンサルタントと、すかいらーくの何が課題か、何が不足しているのかという深い議論を毎日のように行った。

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