大分の「いいちこ」を世界に広める思いとは 宇佐市の三和酒類が約30カ国・地域に販売

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いいちこを語るとき、発売と同じ年に始まった一村一品運動は欠かせない。昨年亡くなった前知事の平松守彦さんは、麦焼酎を強力にトップセールスした。上京すると赤坂や新橋の高級料亭に立ち寄り、女将(おかみ)の前でお湯割りにカボスを搾って「こうすると二日酔いしないんだ」。政財界にも愛飲者が広がった。「一番下のランクの酒」は、1本4万円でボトルキープされる酒になった。

夢は世界中で愛される酒にすること

三和酒類名誉会長の西太一郎さん。「いいちこを世界で愛される酒にしたい」と語る

「西くん、世界で売れる麦焼酎を作れ」。平松さんはよく言っていたそうだ。05年発売の「いいちこスペシャル」は、16年の世界的コンテスト「インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)」焼酎部門で最優秀金賞を受賞。西さんの次の夢は、いいちこをハワイのように世界中で愛される酒にすること。それは平松さんとの約束でもある。

「どんな良い品も、売れるきっかけを作るのは簡単じゃない」。西さんは言う。「平松さんと一村一品はそのきっかけをくれた。恩人ですよ」

(記者:山口信一)

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