新幹線が「空を飛ばなくなった」新工場の秘密

検査日数の1日短縮をどう実現したか

ジャッキで車体を持ち上げる方式に変わったJR浜松工場の新しい検修ライン(撮影:小佐野景寿)

毎年夏に行われる一般公開のイベントで、クレーンによって新幹線の車体を吊り上げる「空飛ぶ新幹線」が家族連れなどの人気を集めていたJR東海の浜松工場(静岡県浜松市)。2016年9月に、クレーンによる吊り上げの「見納め」イベントが開かれたことを覚えている人もいるだろう。

クレーンでの車体吊り上げが姿を消したのは、建物の耐震化や検査の効率化などを目的とした工場施設リニューアルのためだ。その工事がおおむね完成し、今年1月5日から新しい検修ラインでの車両の検査が開始された。

新しい検修ラインはどう変わった?

工場のイベントで人気の高かった「空飛ぶ新幹線」。新ラインではクレーンの使用はなくなった(撮影:梅谷秀司)

同工場で行っているのは「全般検査」と呼ばれる、走行距離120万キロメートル、または36カ月以内に行う大がかりな検査。車体から台車や機器類を取り外して行う、新幹線のオーバーホールだ。

これまでは1編成16両の検査を行うのに15日かかっていたが、新しい検修ラインでは1日短い14日に短縮された。13日に行われた報道公開で、JR東海新幹線鉄道事業本部の田中雅彦・浜松工場長は「建て替えにともなって新しい効率的なラインができた。最新設備を導入し、作業環境も良くなり、検査の精度も向上した」と述べた。

では、新幹線が「空を飛ばなくなった」新しい検修ラインは従来と比べてどのように変わり、どのようにして検査期間の短縮を実現したのだろうか。

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